アメリカ不動産の売却においては、FIRPTA(ファプタ)といわれる税法や
還付申請の手続きの知識が欠かせません。

不動産売却では手元にいくらお金が入るのか、気になるという方は多いと思います。
そのため売却から確定申告時の還付申請までの流れが非常に重要になります。

FIRPTAとは不動産売却時の源泉税のことですが、
今回は、FIRPTA後から還付申請までの大事なポイントをご紹介します。

予備知識として「FIRPTA」や「還付申請」とは何かを簡単に確認したい方は、
以下をご参考にしてください。

・不動産売却時の税務については「売却税務(個人編)」で解説しています。

・還付申請については「還付申請の方法」で解説しています。

売却後には諸経費と15%の源泉を引かれ、残りの金額が振り込まれる:ポイント1

不動産売却後には、15%が売却価格から源泉徴収され、
諸経費が差し引かれた金額が振り込まれます

全ての金銭のやり取りはエスクローを介して行われ、
エスクローは買い手から入金された金額から、
諸経費や源泉徴収などの決済をしていきます。

アメリカではエスクローが入ることで必要な書類や手続きが公平に進められていきます

15%の源泉を受領した旨の通知がアメリカ税務署から送付される:ポイント2

15%の源泉徴収は売り手側から振り込むわけではなく、
基本的には決済時にエスクロー側で税金などが差し引かれるので、
買い手側の購入代金からアメリカの税務署に納付されます

その後、源泉徴収の受領通知が税務署から売り手側に送付されてきますので、
これを受領する必要があります。

確定申告において源泉受領通知を添付し還付申請を行う:ポイント3

この源泉受領通知は、確定申告の際に必要な書類です。

売却後の確定申告で還付申請を行っていきますが、
エビデンスとして受領証明の添付が必要です

この通知がないと還付申請ができないので、
専門家に確定申告を依頼する場合でも
受領通知を用意しておき、確定申告時に還付申請を行うという流れになります

まとめ

アメリカ不動産の売買は、中立な立場で手続きを進めるエスクローを通して行われます。

その意味では、契約に必要な書類や決済まで安全に取引が行われることになります。
今日は「不動産売却時から還付申請まで」のエスクローとのやり取りとなる
少し分かりにくい部分についてご紹介しました。

  • 売却価格から諸経費や源泉徴収分が差し引かれる
  • 納付する源泉徴収分は買い手側、エスクロー側から税務署に送金される
  • 納付通知は税務署から売り手側に届くので、添付して還付申請を行う

確定申告時の還付申請によって、最終的な手残り金が確定されます。
受領通知がないと還付申請ができないので、
税務署からの受領通知は必ず確認をしておきましょう。