2021年度におけるアメリカの確定申告事情をお届けします。
現在は2022年5月9日、ゴールデンウィークが明けて平常に戻りました。
テキサス州で不動産を購入された方は、ご存知のとおり連邦のみで確定申告を行います。
申告期日は6月15日です。
フェニックスデールでも概ねの確定申告の手続きは終わっていますので、
2021年度を通してアメリカ不動産投資についてどう感じたのか語っていきます。
円安・キャピタルゲインが出て売却が多かった:ポイント1
不動産を売却するきっかけは、キャピタルゲインを狙ってということが多いのですが、
2021年度は円安の要因もありました。
日本の税制では不動産売却の税金は所有期間によって異なりますが、
所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり、
5年以下では短期譲渡所得として扱われます。
この区分によって税率が変わるので、
5年を超える税率が下がるタイミングでの
売却件数が増えてくるのではないかと思います。
ただ、所有期間に関係なく売却についての問い合わせが増えているので、
この傾向の多くは
「円安や物件自体のキャピタルゲインによる売却が多かった」からとみています。
またドルから円に変えたいと考えている方も、日本の税金についてはさておき、
不動産の売却を検討する、実際に売却をしたという方が増加しました。
これは際立った上昇というわけではなく
昨年、一昨年に続きゆるやかに件数が上昇傾向です。
相続の問い合わせが年々増えている:ポイント2
いわば相続問題は不動産においては先送りができない課題です。
不動産の所有者が亡くなった場合、ご家族は手続きの負担が大きく、
あらかじめ取れる手段など「相続の問い合わせが年々増えている」のが特徴です。
相続人の負担を軽減するために事前の対策や準備をしておきたいという悩みから
相続の発生により遺産税の申告をするケースまで、
相続についての問い合わせは、昨年度に比べ3倍〜4倍程度増えています。
ドルの運用について関心が高い:ポイント3
資産運用ではドルの運用というワードがよく使われます。
アメリカ不動産投資でも毎月入ってくる賃料をドルのまま保有しておくのか、
そこからさらにドル運用をどうするのか、円安のタイミングで円に変えるのかなど、
不動産投資で得た賃料の「ドル運用について関心が高い」ということがうかがえます。
2021年アメリカ不動産のまとめ
2021年度、アメリカ確定申告について振り返りました。
不動産投資の現場ではどんな動きをしているのか、流れを把握することは必要です。
・売却の相談が多かった
→円安で為替差益とキャピタルゲインが得られやすいから
・相続の問い合わせが多かった
→相続手続きの負担が大きく、実際に困っているから
・ドルでの賃料運用の関心が高まっている
→資産の有効活用をドルでと考える人が増えているから
円安が長引くと為替差益との相乗効果でキャピタルゲインが狙いやすく、
ドルでの分散投資をしておきたいと考える方も増えます。
相続の問題は今後も避けられないと思われます。
実際に相談が増えているものは、起こりうることとして捉えることもできるので、
今後も、アメリカ不動産の確定申告の振り返りの動画などで、情報の共有をしていきたいと思います。