「アメリカ不動産をLLCで購入したいのですが、デメリットなどはありますか?」
「LLCが節税になると聞いたのですが、LLCの特徴を教えてください」
アメリカ不動産を法人で購入するときに、LLCで買いたいという方がいます。
たしかに、インターネットなどでLLCについて書かれている記事をみると、
その特徴などからメリットがありそうだなと、思われるかもしれません。
そのためかLLCについては、最近ご相談をいただくことが増えています。
そこで、今日はLLC(米国合同会社)の特徴について、
アメリカの税制からみたポイントをお伝えしていきます。
パススルー課税を選ぶことができる:特徴1
不動産に詳しい人は、税金については必ずチェックすると思います。
LLCの特徴としてあげられるのは、パススルー課税を選べるということです。
そのためLLCは「pass-through entity=パススルー企業」ともいわれています。
これは、具体的にはどういうことかというと、LLCという会社には出資者がいます。
これは1人の場合もありますが、複数の場合もあります。
このときの実際の会社の納税義務は法人ではなく、
出資者個人で申告をしていくという税体系をパススルーといい、
LLCはそのパススルーエンティティの代表例です。
法人税がかからない:特徴2
パススルーというのは、特徴1でも少し触れましたが、
法人税を納めない代わりに、出資者が個人で所得税を納めています。
たとえば、私がLLCを作ったとします。
出資者が私1人だった場合、LLCの売り上げはについては、
パススルー課税といわれる税制上の選択肢があります。
パススルー課税の場合、法人での課税はなく
個人で確定申告をして納税をしていくことになるので、
出資者の私が納税をしていきます。
LLCの法人自体は申告をせずに法人税もかからないという特徴があります。
このようなことから、株式会社にすると当然に法人で確定申告をして、
利益に対して納税をしていく必要があるので、
法人税を避けるためにLLCを作ろうと思われる方が多いようです。
米国非居住者にはあまりメリットがない:特徴3
アメリカでの不動産の購入に関しては、アメリカに住んでいない人にとっては、
LLCはあまりメリットはない、というのも特徴の一つです。
理由としては、出資者個人でアメリカの確定申告をしたとしても、
アメリカ内で他に合算する収入がないと節税にはならないからです。
アメリカに住んでいれば、他の収入などと合算しマイナスとなれば
経費として計上して認められるケースがありますが、
結局のところ、アメリカ非居住者にとってはメリットにはなりません。
アメリカでも、当然日本でも申告をしなければならないので、
LLCがアメリカで法人税はかからなくても、
株式会社と同じようにコストや手間などがかかってきます。
日本在住でアメリカで不動産以外の収入がない人にとっては、あまりメリットはないと思います。
まとめ
最後にアメリカでLLC(米国合同会社)の特徴をまとめます。
- LLC(米国合同会社)は、パススルー課税を選択できる
- 法人税はないものの個人で確定申告をしていく
- アメリカに住んでいない非居住者にはメリットがない
日本ではパススルー課税を選択できなかったり、税法上の解釈の違いなど、
分かりにくい部分ではあるのですが、大枠の理解とポイントはおさえておくべきでしょう。