前回は、
個人から法人へアメリカ不動産を移転する際にかかるコストについて取り上げましたが、
今回は、移転する際の税務のポイントについて解説していきます。
個人から法人への移転についてはさまざまな決まりごとがあります。
どんな手続きを誰に頼めばいいのでしょうか。
ここでは、個人から法人への移転の手続きについて確認しておきましょう。
譲渡税源泉の手続きは専門家に依頼するのが望ましい:ポイント1
個人から法人への不動産の移転では、譲渡の手続きをする必要があります。
不動産売却時には源泉徴収されるのですが、これがFIRPTAといわれるものです。
この手続きはエスクローが行うことが多く、
まれにスムーズにいかないケースや担当者との連絡がとりづらいこともあるようです。
譲渡税源泉などの手続きは専門家に依頼するのが望ましいでしょう。
不動産の移転の手続きでは税務署からペナルティというような事態を避けるために、
多少コストがかかったとしても専門家に依頼することで安心につながると思います。
法人の支店登記が必要:ポイント2
個人から法人へ移転するには、アメリカでの支店登記が必要です。
売主から買主へ権利を移すので不動産のある州で法人登記をしていて、
法人番号も取得できていることが通常です。
不動産取得後に登記を行うこともできますが、
州ごとに登記する期間が決められています。
登記手続きにかかる日数も州ごとに異なるので、
エスクローからは移転する前に支店登記をするように言われることもあります。
スケジュールに余裕をもって手続きを行うことが大切です。
チームワークが必須:ポイント3
個人から法人への不動産の移転は、不動産会社や多くの専門家を通じて行われます。
フェニックスデールでは税務を担当していますが、
不動産会社、エスクロー、会計士などのさまざまな専門家の協力が必要です。
移転による手続きというものは、
正確な情報の共有をタイムリーに行うことがメリットになるでしょう。
ポイント1の源泉税の税務署への納付期日はクロージングと言われる取引のあった日から20日以内です。
早い段階で正確な情報共有をすることで、
いざ手続きが必要な場面になってから慌ててしまわないように、関係者の情報共有を行っていきます。
まとめ
アメリカ不動産の名義を法人名義に変更したいという方が増えています。
これは税制改正により個人では損益通算ができなくなったために、
法人名義に変更したいというニーズが高まっているからです。
〜個人から法人へ移転する際の留意ポイント〜
・譲渡税源泉の手続き
→コストがかかっても専門家に依頼するのが安心
・支店登記の手続き
→スケジュールに余裕を持って速やかに行なう
・移転の手続き
→情報共有と正確さにスピード感を持たせるためにチームワークが必須
不動産の売却では価格をどうするのかによっても税金や出口戦略なども変わるので、
専門の不動産会社や税務の専門家に相談することをおすすめします。