日本での確定申告の期日が迫っていますが、
アメリカ不動産を購入して賃料収入がある場合や、
売却をして売却益がある場合などには確定申告が必要です。
海外不動産投資をされている方の中には、
アメリカで確定申告をすれば日本での確定申告は不要だと
思っていたという方もいらっしゃるようですが、
アメリカで不動産投資をしている方は、
原則的には日本でもアメリカでも両方で確定申告が必要です。
ここでは、日本とアメリカの計算方法の違いなども取り上げながら、
確定申告の手続き上のポイントを3つまとめてみました。
日本とアメリカそれぞれで確定申告が必要
まず、アメリカ不動産を購入した場合、
日本での確定申告の手続きのポイントとしては
「日本とアメリカそれぞれで確定申告が必要」であるという事です。
ポイント1 日本とアメリカそれぞれで確定申告が必要!
アメリカ不動産を購入し、
そこから得られる利益についてはアメリカ政府と州に申告が必要ですが、
それに加えて日本でも確定申告が必要です。
申告期日は州によって異なりますので、
確定申告の手続きのために
日本、アメリカ政府、州のスケジュール感を押さえておく事が大切です。
日米の違いは減価償却の計算
日本とアメリカでは減価償却の考え方が異なっています。
不動産の減価償却の考え方をご説明しますと、
まずは不動産を長期間保有していると建物が劣化していきます。
不動産の購入にかかった金額から
資産価値が減少していく分を経費として計上していきます。
ここであげられる確定申告の手続き上のポイントとしては
「日米の違いは減価償却の計算」であるという事です。
日本とアメリカの大きな違いともいえる
減価償却についての考え方や計算方法などをみていきたいと思います。
確定申告といっても日本とアメリカでは
どのような違いがあるのか知りたいという方も多いと思いますが、
日本の場合には、建物よりも土地に対して価値をおいています。
それに対してアメリカの場合には、
土地よりも建物の方に価値をおいているため、
建物部分に対して減価償却を大きくとる事ができます。
ポイント2 日米の違いは減価償却の計算!
日本とアメリカではそれぞれで減価償却の計算方法が異なっていますので、
それぞれの税法のルールで計算をしていきます。
【日本の税法での法定耐用年数】
- 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)・・・47年
- 鉄筋コンクリート(RC) ・・・47年
- 木造・・・22年
- 建物設備・・・15年
【中古物件の耐用年数の簡便法】
・建物の耐用年数を超えると
→法定耐用年数×0.2(端数切り捨て)
・建物の耐用年数が全ては超えていない場合
→(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数切り捨て)
日本では、法定耐用年数を超えている中古の建物は
法定年数の2割の耐用年数しかない計算です。
築年数が古いコンドミニアムなどでは
短期間(22年超えの木造では4年、47年超えの鉄筋コンクリートでは9年)で
耐用年数により経費の計上ができていたので、
節税目的で購入される方も多くいました。
たとえば
築40年の木造のコンドミニアムを1,000万円で購入した場合
木造の法定耐用年数である22年を超えているため
耐用年数=22年×0.2=4(端数切り捨て)
毎年の減価償却=1,000万円÷4年=250万円
年間250万円を経費として計上
減価償却費計上による損益通算が制限されますが、
法人では、従来どおりの損益通算の適用できます。
【アメリカの法定耐用年数】
アメリカでの法定耐用年数は主に27.5年で、
売却されると購入ごとに27.5年の償却を行います。
適切な修繕を行い、品質の基準を満たしていれば価値が下がりにくくなる事もあります。
このように日本とアメリカでは、
減価償却の考え方、償却期間などでの違いがあります。
返済金利、物件に直接的にかかる経費は
日米それぞれで計上可能
アメリカ不動産を購入し
「経費の計上をする場合に、日本とアメリカでは経費は別々に計上できるのか?」
というご質問をいただく事があります。
答えとしては
「物件に直接関係する経費は日本とアメリカの両方で認められます」
とお伝えしています。
たとえば、物件を購入する時に住宅ローンを組む事があると思います。
金融機関から融資を受ける事で発生する金利については、
日本でもアメリカでも両方で経費として計上する事ができます。
ポイント3 返済金利、物件に直接的にかかる経費は日米それぞれで計上可能!
アメリカの不動産から得られる所得に関しては、
アメリカと日本の両方で確定申告をしなければいけないのですが、
その際に不動産にかかっている経費は
日本での確定申告でも経費として計上し申告する事ができます。
その場合に、以下のような疑問が出てくると思います。
・どのような費用を経費として計上できるのか?
売買契約時にかかる購入費用や、管理費、部屋を募集する時の広告料、
管理をするためのアメリカへの旅費、交通費、宿泊費などや
火災保険や地震保険などの保険料、固定資産税やその他租税公課など
・経費として計上する場合、日本とアメリカの両方で計上はできるのか?
フェニックスデールでは
「物件を管理する管理費としてアメリカへの渡航費などは経費として計上できるのか?」
「登記費用などは経費として計上できるのか?」
などさまざまなご質問をいただきます。
アメリカ不動産投資では、最初は分からない事が多いと思います。
「アメリカ不動産投資や確定申告についての知識」
を得る事について本記事がお役に立てれば幸いです。