アメリカ不動産を売却すると、どのような税務が発生するのでしょうか?

所有しているアメリカ不動産を売りたいと思ったとき、
確定申告までの流れで税務が発生します。

そのため、どのような税務が発生するのかを理解しておくことが重要です。

後になって「こんなことは知らなかった」とならないように、
まずはアメリカ不動産売却にかかる税務の特徴についてみておきましょう。

日本にはない制度ーFIRPTAに注意:ポイント1

アメリカ不動産の売却では注意してほしいことがあります。

それは、不動産売却によって利益が出ていなくても、
FIRPTA(ファプタ)という税法により、
売却するタイミングでアメリカ側で源泉徴収されてしまうということです

日本の税法の考え方では売却益がでていない場合、譲渡所得税は不要になるので、
「アメリカでも譲渡価格から実際の価値を引いて残った利益に対して、
税金がかかるのではないのですか?」
とよく聞かれます。

アメリカの場合は、非居住者などはアメリカ不動産を売却したタイミングで、
アメリカ側で源泉徴収されてしまう、というのが基本的なルールになっています

この、FIRPTA(ファプタ)は、利益に対してではなく、
売却金額に対して15%を源泉徴収されてしまうので、
売却時には特に注意をしておきましょう。

還付申請を行う必要がある:ポイント2

不動産売却ではFIRPTAによって源泉徴収をされるということがわかりました。

源泉徴収をされているのであれば、売却をした年度の確定申告は重要です
税金は少しでも節約したいところですので、還付申請も行っていきます。

売却をしない場合には、通常通りの確定申告で収入と費用を計上しますが、
売却した年においては、収入と費用に加えて、譲渡税の計算もします

譲渡税の計算をして実際の税金が確定したら、源泉徴収された数字と比較をします。
徴収されている金額の方が大きければ、
申告書上で還付申請をすることで税金が還付されます。

売却で損が出ても源泉徴収されてしまう:ポイント3

繰り返しにはなりますが、売却する金額に対して15%を源泉徴収されてしまいます

売却時にたとえ損失がでていたとしても、直接、源泉徴収されるのが特徴です

実は源泉徴収を防ぐためには、免除の手続きを行うという方法もあるのですが、
免除については応用編でご紹介していきたいと思います。

「物件で損失がでているのに、なぜ源泉徴収されるのですか?」
というご質問をいただきますが、
売却で損が出ていてもいなくても、
売却時には一旦、売却金額に対してIRS(米国歳入庁)に15%を
源泉徴収されてしまうというルールです。

まとめ

不動産売却時にかかる税金は必ずかかるものもありますが、
還付申請などで戻ってくるものもあります。

今日は、個人オーナーがアメリカの不動産を売った場合の
アメリカの税務の特徴をご紹介しました。

  • 売却時には源泉徴収されるFIRPTAという税法がある
  • 源泉徴収後には還付申請をする
  • 売却益の有無に関わらず、売却価格に対して15%が源泉徴収される

FIRPTAは売却益ではなく売却価格から源泉徴収をされるなど、厳し目のルールです。
これらの手続きを怠ると税務署から通知が来たり、
手続き上でもトラブルになりやすいので、
売却の際はコンサルタントあるいは専門家より、
しっかりと説明を受けた上で、手続きを進めていくのが安心だと思います。